パパと呼ばないで|休職中に胸に刺さったあの一言

休職中のできごと

休職中、どうしても忘れられない出来事がある。

うつ病・適応障害と診断され、休職生活がスタートした。
はじめは2ケ月の休職期間の予定だったけれど、なかなか体調が回復せず、休職期間が延長、延長となり、1年半休職した。

驚くかもしれないが、実は、私は休職したことを妻以外には内緒にしている。私と妻の両親、兄弟、友人にも内緒にした。もちろん、ご近所の人にも、休職していることはバレないよう徹底した。(どうやって秘密にできたのか、その時の苦悩は別で話すとして)

内緒にしていることは心苦しいし、自分自身がしんどくなったことは事実。しかし、休職中に一番つらかった言葉がタイトルにもあるこの言葉。

「パパと呼ばないで」

これは、妻がおでかけするときに、玄関先で当時3歳の子どもにいつも言ってた言葉。
私は体調が悪く、2階の寝室でいつも寝ているんだけど、この言葉がよく聞こえてきていた。

3歳の子どもは、無邪気で活発。言葉も覚えだして、いつも何か話している。普段から、私のことを見ては「パパ!パパ!」と叫ぶ。
平日に、妻が家の前で子どもと遊んでいると、外から「パパー!みてー!パパ!」と、家の中にいる私を呼ぶのである。

こんなことでは、ご近所の奥さまたちにバレて、噂になってしまう。妻に、外に行くとき子どもに極力パパと呼ばせないようにできないものだろうか、と伝えた。

それ以降、外出するときは、妻が玄関先で子どもに言うのだった。

「いい?外では、絶対パパー!って呼んじゃダメよ」

3歳の子どもに、こんなことをしつけるなんて、なんてダメな父親なんだ・・。と自分を責めた。
子どもは「なんで?」と、おそらくその理由を聞いてきただろう。妻はなんて説明したのだろうか。

こんな親都合の理不尽な子どもへの要求を、うまく説明できるはずもない。

本当は、外で思いっきり遊んであげたい。パパ!パパ!と無邪気によぶ声にこたえてあげたい。

でも、今はできない。本当にごめん。
布団の中で、何度も妻と子どもに謝った。外からは、子どもの元気な声が聞こえてくる。パパと呼ばないか、いつもヒヤヒヤしていた。

真っ暗な部屋のカーテンを少し開けて、外で遊ぶ二人の姿をみることが日課になっていた。


あの日の「パパと呼ばないで」は、今でも胸の奥に残っている。

復職した今。
あの時よりも、さらに元気に成長した子どもが、いつも「パパ!パパ!」とうるさいくらい叫んでいる。

私はそのうるさい声が、今は、とてもうれしい。


もだ丸

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